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特集 第40回 かけがえのない日々

今までも。
これからも。

 

NYKNews Vol.40(2013年11月掲載)

 

今年のニュースのひとつに、伊勢神宮の式年遷宮がありました。
わずか二十年で引っ越し…と思った時、二十年という年月を『わずか』と思える自分が可笑しくなりました。

 

二十年前、私は一番上の娘を産んだばかりの新米ママでした。
はじめの半年ぐらい娘は昼夜逆転で、昼ぐっすり寝ては夜目がパッチリ。その時は何故なのかわからなかったのですが、今思えば昼間は私と娘ふたりっきりで娘が寝ていればそっと音も立てず、夜夫が帰ってくるととたんに賑やかになって、お父さんが抱き上げてくれたり話しかけてくれたりするのですから、娘にとってはそちらが昼だったのでしょう。何につけても未熟で必死な頃でした。

 

二年後に長男が生まれ、そのふたりの子どもたちが小学校低学年の時に生まれた末の息子が、今小学五年生。ということで、私にとってこの二十年は子育て期。一日一日が精一杯、その繰り返しであっという間に過ぎてしまったという感じです。

 

ところで、小学五年生の末の息子はこの夏ぐんと背が伸び、私と目線が近くなりました。
子どもも自然の生きものですので、夏には草木のごとく成長します。それは、毎日一緒にいても驚くほど。ふと足元を見ると靴もはち切れそう。そういえば春に新しくしたきりだったなと、息子を伴い靴屋さんに向かいました。

 

男の子の靴といえば赤や青、果ては金色や銀色まであり男子心をくすぐるデザイン。しかし、息子がその時履いていたのは24・5センチで、これより大きいサイズとなるとその奥の大人のスポーツシューズコーナー。さぞかしがっかりするかと思いましたが、試してみると息子は紐靴の方が履きやすいし格好いいと気に入ったよう。25センチもすでにきつく、25・5センチのシューズを購入しました。

 

息子の新しい靴を玄関に置くと、大きい大人の靴ばかりに。
「お母さんと足を合わせてみて」と言うと「いいよ」といつものように無邪気に足の裏を合わせてくれました。すると私の爪先の向こうに彼の足先がちらりと見えて。ずっとわが家で一番小さいと思っていた息子が、いつの間にか私より大きい足で歩いていたなんて頼もしいやら、寂しいやら…。

 

毎日同じことを繰り返しているうちにここまできてしまったと思っていましたが、子どもたちはこんなに大きくなっていて、やはりかけがえのない尊い時間だったのだと嬉しく思います。
十年後、二十年後またこうして振り返った時に「楽しかったな」と笑顔で言えるよう、これからも健やかに日々を重ねていけたらと思いました。

 

特集 第41回 最強の味方

ふるさと。家族。
最強の応援団。

 

NYKNews Vol.41(2014年1月掲載)

 

私は青春時代を福島で過ごしました。福島は自然豊かなところです。
春、やっと届いた桜前線が暖かい浜通りを北上し、上りきって中通りに移動すると今度は北部から南下(中通りは南に行くに従い標高が高くなるため)三春の滝桜を開花させつつ会津地方へ。
次は果物王国ならではの果物の花の季節。桃畑の、まさに桃色の絨毯は圧巻。そして、葉の緑・蕾の赤と花の白のコントラストがなんとも愛らしい林檎の木。また、高い枝に白い花を咲かせたかと思うとあっという間に実を付けるサクランボ。それは初夏の日差しに宝石のように輝いて。
秋は紅葉。寒さ厳しき土地に贈られる錦の季節。山々も街路樹も、そして足元の草までも紅や黄色に彩られ。

 

その瞬間をひとつも見逃すまいと、休日は西へ東へ愛車を走らせました。大好きな松任谷由実さんの曲を聴きながら。女の子のキラキラした気持ちや、せつない想い。大自然にいだかれながら、カーステレオから流れるユーミンワールドに共感したり憧れたり。
今、あの頃聴いていた曲を耳にすると、ふるさとの雄大な自然が瞼いっぱいに広がります。

 

さて、先日CDショップを通りかかると、店頭に松任谷由実さんの新しいアルバムが並んでいました。その秘密の宝箱のようなジャケットに惹き付けられ思わず一枚手に取りました。
聴いてみたいな。でも…と店を出たり入ったりして(女の子の時とは財布の紐の固さが違うので)やっぱり!と購入し、車に戻るとワクワクしながらオーディオにセットしました。

 

『その未来の ふたりを守るために来た』『どんなときもふたりの味方になるよ』(「Babiesarepopstars」松任谷由実)
第一音目から広がるユーミンワールド。懐かしいサウンドにのって聞こえてきたのは、空から舞い降りた私たちの天使の声でした。
ユーミンはいつでも私たちの一番の宝物をクローズアップし、大切に言葉に換えてくれます。
母になって知った、子どもたちの無償の愛。こんなに誰かに愛されたことはないと思うほど、子どもたちはまっすぐに私たちのことを愛してくれます。『百点』も『5』であることも求めず、ただただお父さんとお母さんが大好き。どんな時でも溢れんばかりの愛でギューッと私たちを抱きしめてくれます。子どもたちに守られて今ここに在るということ。子どもたちに出逢えた奇跡に改めて感謝!です。

 

結婚を機に福島を離れて二十数年たちました。何台目かの愛車は、もっぱら家族の送迎や日々の買い物のパートナー。BGMは松任谷由実さんの新しいアルバムです。何年かしてこの曲を聴いた時、今の家族の笑顔に会えるのかな。そう思うと未来がまた楽しみになりました。

 

特集 第42回 心を込めて

思いを伝える。
心を込めて。

 

NYKNews Vol.42(2014年3月掲載)

 

「ねえ、お母さん。生まれ変わる時に、また自分に生まれ変わらない確率は99.9999…パーセントなんだって!」学校から帰るなり、息子が息をはずませながら言いました。
「生まれ変わっても、また同じ家族がいいな。またみんなに逢えますように…」と思っていましたが、ああ、そうだ。そんなことはあるはずがないのだと我に返りました。
家族は奇跡の結晶のようなもの。長い長い歴史の中どこかひとつ違っても『私』はいなかったでしょうし、夫にも子どもたちにも出逢うことはなかったでしょう。今ここに在る幸せを尊く愛しく思います。
さて、前回子どもたちに守られているという話をしました。子どもの包容力には驚くばかりです。
例えば、末の息子が二歳の時。その頃彼は鼻炎のためほぼ毎日耳鼻科に通っていました。大抵の子がそうであるように、治療中は毎回大泣き。
そんなある日、病院に向かう車の中で「今日はお母さんも診ていただくの」と言うと、息子は「お母さん泣かないでできるかなあ」と心底心配し「ボクは目をつむってるんだよ」とアドバイスまでしてくれました。そして、ボクがお手本にならなくちゃとばかりにその日は毅然として泣かず、その日を境に診察中泣くことはなくなりました。
また、彼が三歳の時のこと。私が珍しく心に風邪をひき涙が溢れてしまったことがありました。すると、息子がそっと寄り添い「お母さんのお兄ちゃんだよ」と頭を撫でてくれました。
『お母さんのお兄ちゃん』。なんて温かく優しい言葉なのでしょう。大きな愛に包まれて心が溶けていきました。
幼い子どもが母を思って紡いだ言葉は、世界にひとつだけの宝物。色褪せることなくずっと私を支えてくれています。

 

ところで、私は以前から「頑張って」という言葉があまり好きではありませんでした。しかし、それに替わる言葉も見つからないまま。ところが、最近素敵な言葉に出会いました。
それは、高校三年生の息子と大学受験の受験料を振り込みに行った銀行で。手続きが完了すると、窓口の女性が祈るように言ってくださったのです。
「お力を発揮できますように」。
毎日寝る間も惜しんで勉強をしている息子を思い、胸がいっぱいになりました。
「ありがとうございます」そう答えた息子の横顔も笑顔で輝いていました。

 

明日に向かって頑張っている人がたくさんいます。
どうか努力が報われる社会でありますように。
頑張っている皆さんのお力が発揮できますように!!

 

最終回

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