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特集 第16回 人ありてこそ

ひとつひとつの誠意が、社会を支え未来を築く。

 

NYKNews Vol.16(2009年11月掲載)

 

「ここがいいね。」
通りかかった坂道から見えたその緑豊かな土地に心惹かれ、家を持つことになりました。
そこは建築条件付きの売り地でしたが、売り主である工務店にはモデルハウスはなく、「今建築中の建て売りの家を見て下さい」と案内されて、その数軒を回りました。
外観も家の中も正直少々地味な感じがしましたが、建築途中を堂々と見せるのだから、真面目な会社で、材料にも仕事にも自信と誇りを持っているであろうことがうかがわれました。

 

突然家を建てることになったためこちらは勉強不足で、「洗面所にはオープンの棚を」「和室にはぬれ縁を」「あっ、玄関にも収納を」と思いつくまま要望を言っていたのですが、現場監督さんがそのひとつひとつを大工さんと相談し、実現してくれました。そうして私の家が完成しました。

 

ところで、工務店との付き合いは、家が完成して引き渡しが済んでからこそが大事で、そこで初めてその工務店が〝当たり〟かどうかがわかることを知りました。
住んでみると、あちらこちら気になる所が出てくるものです。
そのたびに連絡するのですが、些細なことでもあの現場監督さんがすぐに来てくれて、ドライバーなどでちょんちょんと直してくれます。普通だったら業者に連絡してそこのサービスマンが来るような箇所も、まずは監督さんが来て自分の目で確かめてくれるのです。
十年保証の住宅なので、これも十年までかと覚悟し、もうすぐ十年というある日、また修理に来てくれていた監督さんに、「十年たったらもう来ていただけないんですか?」と聞いたところ、「大丈夫ですよ。いつでも呼んで下さい」。
一生に一度の買い物が〝大当たり〟で良かったなと感謝し、このあとの外壁の塗装やリフォーム、建て替えももちろんその会社でと思っていました。

 

ところが、先日その現場監督さんが訪ねてきました。会社の都合で職場を替わったとのこと。
その時初めて、その工務店ではなく監督さんを信頼していたのだということに気が付きました。
建てたあとも責任を持ちお客さまを大切にする会社だと感心し、そのような良い工務店に当たったことを喜んでいましたが、それは、その監督さんの骨身惜しまぬ迅速な対応と、誠実な仕事があってからこそだったのです。

 

企業を支えているのは、やはりひとりひとりの〝人〟とその〝誠意〟。
その地道な努力と、それによって得られる信頼によって成り立っているのだということを改めて学んだのでした。

 

特集 第17回 心をこめて

人にも自分にも丁寧に。
感じ良く。

 

NYKNews Vol.17(2010年1月掲載)

 

かつて子どもたちの通っていた幼稚園の園バスは、遠くからニコニコニコニコ近づいてくるバスでした。
運転している運転手のおじちゃん(敬意と親愛の気持ちをこめて)は、いつも愛情あふれる満面の笑みで送迎してくれるのですが、バスもまるで物語に出てくる優しいおじいちゃんバスのように見えるのです。
その走りもなんとも穏やかで、他の幼稚園のお母さんからも、「○○幼稚園のバスは優しい走り方をするわね」と羨ましがられるほどでした。

 

路線バスに乗ると、なるほどと思うことがあります。
降りる乗客ひとりひとりに「ありがとうございました」と頭を下げる運転手さんは、さすがに落ち着いて乗っていられる安全運転。しかし、その全く反対のこともあって、挨拶ひとつにも、その人の人となりや仕事が表れるものだなと思います。

 

さて、私の家の近くに、小さな工場があります。
家の玄関のはす向かいがその工場の裏口で、外に出ていると、ちょうど出勤する人や退社する人たちに会うのですが、みんな「おはようございます!」「こんにちは!」と実に感じが良いのです。
少し距離があるのですから、会釈程度でも当たり前ですし、挨拶されなくても、もしかしたらなんとも思わないかもしれません。
しかし、朝はこちらが言うよりも先に「おはようございます!」とまっすぐ挨拶してくれますし、夕方も一日働いて疲れているでしょうに、こちらに気が付くと笑顔で「こんにちは!」と声をかけてくれるのです。気持ちの良い挨拶に、心がポッと温かくなります。

 

そういえば、この工場が移転してきた時に、責任者の方が「ご迷惑をおかけすることのないようにいたしますが、何かありましたらご連絡下さい」と挨拶にきてくれました。
なんて丁寧な会社なんだろう、周囲にも気遣いのできる会社は、キチンとしたものをつくっているのだろうなと思ったのでした。
確かに、工場の裏側だというのに、ゴミが出されたままということもありませんし、ゴミひとつ吸殻ひとつ落ちていることもありません。
工場の中の清潔さ、仕事の几帳面さがうかがえます。

 

感じが良い人は、誰からも信頼される丁寧で確実な仕事ができるもの。そして、心地良い空気で周りを温かく包んでくれるもの。
その中のひとりになれるよう、今年も心をこめて生きていきたいと思います。

 

特集 第18回 上質な仕事

製品の品質とサービスの品質

 

NYKNews Vol.18(2010年3月掲載)

 

「ありがとうございました。またよろしくお願いします!」
はきはきとした気持ちの良い挨拶が家中に響き、玄関のドアがパタンと閉まる音がしました。
それは、子どもたちがまだ小さかった頃のことです。
私はその日少々体調が悪く横になっていて、子どもの夕ご飯にと、宅配のピザを注文したのでした。

 

ピンポーン!とピザが届き、応対に出たのは幼い子どもたち。4才のお姉ちゃんが商品を受け取ったり、代金を払ったりしているよう。
ピザ屋さんはアルバイトのお兄さんでしょうか。ちっちゃいお客さんに「ありがとうございます」「○○円になります」と、大人に対するような丁寧な受け答え。
4才の娘を一人前の大切なお客さまとして扱ってくれていることが、離れている部屋からもうかがわれ、嬉しく有り難く思いました。

 

ピザ屋さんが、温かいピザと一緒に、私に元気を届けてくれました。おかげで私の体は急に軽くなり、子どもたちと一緒に「美味しいネ」とピザを頬張ったのでした。

 

〝気持ち〟はまっすぐ伝わるもの。いくら「ありがとうございます」と感謝の言葉を口にしても、そこに〝気持ち〟があるかないか、こちらにはっきり伝わるものです。それが、顔が見えない場面では、なおのこと。

 

例えば、製品の問い合わせなどで、お客さま相談窓口に電話をかけることがありますが、電話に出た方の第一声で「良かった」と安心することもあれば、後悔することもあります。
声がやわらかく温かに感じる時は、その後の応対も穏やかで丁寧で、製品についても熟知していることが多く、納得のいく回答を得ることができるものです。また、このような場合は、話が終わったあとも、耳元でガチャンと切られることもなく、心地良い余韻が残ります。

 

お店や企業のマニュアル通りなのかもしれません。それでも、その言葉や態度には、お客さまに対する気持ちが表れますし、さらには、その企業の製品の品質をも感じとることができるのです。

 

子どもにも深々と頭を下げてくれる(言葉の響きからそう感じました)ピザ屋のお兄さんに、大事なことを教えてもらいました。
たとえ小さなお客さまであっても、敬う気持ちを持つ。そんな当たり前で、かつ、とても大切なことを学び、背筋がピンと伸びたのでした。

 

特集 第19回~第21回

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